2017年7月22日と23日の断片日記

▼夜に、車道と歩道をふらふらと行ったり来たりしながら橋のある景色までくる。映画を観た後だった。湿気を含んだ夏の風を浴びながら川面に視線を預け、このままたどれば海につくだろうかと考える。ジョギング中の女の人が近づいてくる。それよりも遅い速度で…

重ねられた生活 20170715~0721

0715(Sat) その昔、擬人化されたうさぎがIC定期のタッチが甘くて改札でバチコーンと扉を閉められ(><)←こういう顔になってる啓発ポスターを見て泣きそうになる、みたいな話をした記憶がある。最近そのあたりの琴線が先鋭化してきている。例えば「ドアに指…

2017年7月18日の断片日記

▼雨が降るよという予報を見てから眠りについて、朝に窓から差し込む乱暴な陽光。そんなはずでは、と思いながらもその明るい空に感謝をしながら身じたく。少しの哀しさでシャツに袖を通し、多くの無感動でカバンを肩にかける。目下の哀しみの出所である懸案を…

重ねられた生活 20170708~0714

0708(Sat) 無事に『ベター・コール・ソウル』を見始めた。Breaking Badの登場人物が出てくると非常に楽しい。とはいえ何よりも、ソウルの口八丁手八丁が堪能できるのが実によい。2話にてトゥコが出てきた。この人物のキャラクター造形が素晴らしいと感じる…

重ねられた生活 20170701~0707

0701(Sat) 忙しく働いた。日中すこぶる具合が悪かったのだが、働いているうちにうやむやに回復した。そんなのっておかしいではないか。帰宅してからとんがりコーンを食べた。うーん、クラシック。 0702(Sun) 朝から丸ノ内線であちこち。暑い。仕事そのものは…

2017年7月7日の断片日記と解題

▼社会生活を円滑に送るための手続きにでかけたり、写真を撮られたりしていた。めためたに暑くて、道中滝のように汗をかいてしまう。みんなはそんなにうんざりしたように見えないのが不思議だった。 ◆6月分の解題。なぜか今月は君や君とのことばかりになって…

2017年7月4日の断片日記

▼「人生を変えた」ってなんなんだろうな、て思う。それと出会わなかったらどうなっていたのかなんて僕には分からないのに「変わった」なんて軽々しく言えないよ、なんて。それと出会うことで「それまで」と「これから」が分かたれたなんて確証をどうやって持…

重ねられた生活 20170624~630

0624(Sat) うわあ終電に遅れるうと急ぎ足の視界の端で大学生の男が嘔吐していて、それを友人らしき男が介抱をしていた。憐れみと励ましの念を送っておいた。どちらにかは分からない。終電には間に合った。 部屋に戻って花の手入れをしようと思ったら、そのう…

短歌の目・6月

◆今月はそれぞれ1首にしぼれましたゆえ。 tankanome.hateblo.jp 1. クリーム 蜜月もはなればなれもこれ1本イランイランのハンドクリーム 2. 溝 3月の乗り換え駅は溝の口次は2人で来ようだなんて 3. 万緑 「万緑」で画像検索後の世界ソシャゲまじりに環境…

2017年6月26日の断片日記

▼間違えて入ったスーパーマーケットからのこのこと出てきたところで、夏のにおいに捉えられた。季節のにおいというのは不思議だ。いつも不意に香ってくる。今日が特段他の日と比べて暑かったわけでもないのに。もちろん現実的にはまだまだ梅雨が続いていくだ…

重ねられた生活 170617~0623

0617(Sat) うまれた日はだいたいクソみたいな日が多く、31回目のそれはその中でもまれに見るほどの酷さだった。でもそういうのって、暦に縛られてるからそうだというだけで、きっとどの日も同じくらいクソなはず。それでも生きて行かなければならない。 たと…

2017年6月20日の断片日記

▼仕事を早めに切り上げて、電車に飛び乗って、閉店間際の「あの」花屋にすべりこんで、花を買ったよ。昼間のうちに選んでおいたグラスに活ける。なるべく元気に咲いてもらうべく手入れをしようと思っている。このことは、なんとなく独立させて書いておかなけ…

重ねられた生活 170610~0616

0610(Sat) 今日こそは仕事を早く切り上げてレイトショーを…!という気持ちで部屋を出て行くのだけれども、かれこれ某球団もびっくりの連敗ぶりである。公開期間が終わってしまう…。 で、本日の終電情報。いつもより気持ちにぎやかだった気がする。土曜日だか…

2017年6月16日の断片日記

▼僕がこの先に選択すべきこと、決断すべきことについての情報を集めているうちにどんどん気分が悪くなっていった。知れば知るほど、現実ってやつが暴れだす。何をするにもお金がいるね。でもそのお金を稼ぐために時間と労力を割いてしまっては、いったい何の…

2017年6月13日の断片日記

▼雨のせいで前髪がぐちゃぐちゃだ。そのことはもういい年したおっさんなので(このひとつきちょっとでえらく老けた気がする)、どうでもいいといえばいいのだけれども、他のイライラに勝手にくっついてきて、意識の上に顔を出してくるからやっかいだ。雨にぬ…

2017年6月11日のHOW TO GO

▼そうか、今は「HOW TO GO」なんだなと思ったのは、ずっと僕が誰かを探していることを街が知らんぷりしてくれていることにほっとしている自分に気がついたその時だった。でも少しほっとして…「ばらの花」のミニマルなリフが心音と重なっていく。いろんなもの…

重ねられた生活 170603~0609

0603(Sat) また終電だ。とはいえ、慣れっこではあるのでイライラは駅に置き去りにして、乗る時間や曜日に寄る客層の違いなどをぼんやり眺めるに限るななどと考えている。比較的空いていた車内にドヤドヤと外国人が乗り込んできた。英単語帳を読むのに少しだ…

2017年6月7日の断片日記

▼ふらふらと薬局に吸い込まれに行ったはずが、近くにあった雑貨屋で梅雨特集みたいなことをやっていてそちらに吸い込まれていく。女性モノの傘やレインコートを見ながら、実にいいなと思ったりこれは僕は持ち歩けないなと悲しくなったりしていた。全体的には…

2017年6月6日の断片日記

▼この数日、呼吸ができていないと感じる。わずか10分ばかり生活に時間をまわすことができ、ねんがんのぞうきんをてにいれたぞ!がどんなに心躍ることだったか。疲労とストレスで体調を崩していて、発熱で朦朧としている。でもこれは風邪のそれではないのが経…

2017年6月5日の断片日記と解題

▼昼間の不快な空気をさらってくれる夜風が心地よいので、最寄駅に着いてから遠回りして帰ってばかりである。歩く歩く。そしてフィジカルの声に耳を傾けるようにしている。冬のころはもっと精神的な部分での要請が大きかった気もする。もちろん今もそれはゼロ…

重ねられた生活 170527~0602

0527(Sat) 久しぶりに快晴という感じだ。強めの風を嫌だと思わない気候が5月のよいところなのに、今年はさっぱりだったなと思う。髪を切って、風に吹かれてうろうろと。本を(読み終わっていないのに!)結局買いに行ってしまう。MEN'S FUDGEの最新号(次の…

2017年5月30日の断片日記

▼朝から晩までクタクタである。ゆえ、色恋沙汰に身を投じている若い小田急線ユーザーに対する「念」が我ながらひどい。どうひどいかというと、それが結局は自己に向かう点である。めくるめく自意識で人は死に至ることもあるのではないかと思えるほどだ。帰り…

2017年5月29日の断片日記

▼職場の最寄り駅前の大通りを風に吹かれながら歩いていく。耳元で角舘健悟が「ああ こんなはずじゃなかったのさ / 僕は騙されてなんかいやしない / 見違えるほど時は満ちてく」なんて歌っているもんだから、どうしようもなくなってしまって思わず立ち止まる…

重ねられた生活 170520~0526

どうにも日記が観念的すぎると言うか精神世界すぎるというか。過ぎるというほどではないけれど、それでもほら、死後研究してほしいみたいな欲求があるから(あるの?)どうしてもそういう記述になるわけだけれども、僕だって「生活」をしているわけで、そう…

2017年5月19日の断片日記

▼もう何ヶ月も連続でこの駅の風景はいつだって暴力的な朝の陽光と酩酊の香りに彩られてばかりだなと思いながら電車の到着を待つ。向かいのホームには都心へと向かう会社勤めの人たちがたくさんいてお疲れ様なのだった。僕が吸い込まれていく下りの車両はガラ…

2017年5月18日の断片日記

▼ここで人が死んでから24時間も経っていないことが嘘のように人間たちがいつものように動いていた。考えてみれば東京なんてそんな場面ばかりなわけで、別段そのことで感傷的になったりするわけではないのだけれども、交わらないのだなということをしきりに思…

2017年5月16日の断片日記

▼そして誰もいなくなってから、大森が「子供じゃないもん17」で教師に(あるいは恋に)恋する十代に扮しながら「傷ついてよ…」と言っていた意味がすとんと腑に落ちたのだった。「傷つけたい」という欲求と「傷ついてよ」という吐露の間には何光年もの距離が…

2017年5月10日の断片日記

▼連休の間に短歌を詠んだときに、ああ、と思って今までの自分の短歌を並べてみたら見事に「説明」だらけで笑ってしまった。何かの行間を補う31音。技術的なところについては、少し前にいろいろ本を読んだりテレビ番組を楽しく観たりしたことを思い出す。ぜん…

2017年5月7日の断片日記

▼新しい生活費稼ぎの場が思っていた以上にハードモードで白目剥いてる。今までの当たり前が当たり前ではないのだろうなとは思っていたのだが、そんな生易しいものではなくて、ここに横たわっている当たり前が受け入れられないものばかりでホントぶっこわして…

2017年5月2日周辺の断片日記

▼新幹線の車窓から地方都市の夜の風景を見る。明かりがついているビルはもとより、寝静まって明かりの落ちた家々も、すべて営みだなと感じる。その途方もなさに気の遠くなるような思いと甘美な憂鬱さがやってきて、最終的には愛おしさを覚える。旅の何よりも…