オディロン・ルドン
眼は、精神を養い、魂を養うさまざまなものを吸収するために不可欠のものである。見る能力、正しく見て、真実を見抜く能力を持たない者には、不完全な知性しかないだろう。見るということは、おのずから物事の関係をつかみ取ることなのだ。
特に黒の時代における「目」のありようは、今日の僕に大きな影響を与えている。それは無意識からの意志ある飛翔を思わせる「眼=気球」や、リトグラフ集<夢の中で>、あるいは「水の精」。閉じていようが開いていようが、その眼は静謐さが漂う作品群の中で雄弁な何かを語り、語らせる。見るということを想う時、それは色彩の時代へも通じていて、名作「眼を閉じて」しかり、僕と彼の出会いであった「キュクロプス」しかり、ということになる。
ちなみに色彩の時代の美しい「青」は、僕が青色を想起するときのベースになっている。
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