2013年1月7日の日記

今日でまたお別れね、と彼女はいましがた交わしたばかりの挨拶と同じ熱量でつぶやいた。終わりが決まっているということはなんて素晴らしいのだろう。それは瞬間に近づくための、その一助となる。仕事で得たフラストレーションをエンジンに、神様の使いの言霊を追い続ける。きっともうしばらくの間は、僕はそういう生き方を選択し続けるのだろう。


仕事終わりに食事をして、終電へと送り届ける。改札の前で彼女は「それじゃあ、先に行ってるね」と言った。確かにそう言ったのだ。僕は感動のあまり言葉もなかった。それじゃあ、先に、行ってるね。先に、先に、先に。忙しさのあまり手放しかけていた敗北主義や「それでも」が熱を取り戻していくのが分かった。そう、「変わり続ける君を変わらず見ていたいよ」の季節。


僕らは次に会う日を約束して別れた。また他人に戻るんだなということを慎重に確認しながら。こうして別れたりつきあったりを繰り返している限り、永遠はないということを何度も何度も受け取り直すことができる。そのうちに、必ずや全ての時系列はフラットになり、瞬間が見えてくる。寒空の帰路。僕の耳元ではフラン・ヒーリィが優しい声で歌っていたが、僕はあのうだるような暑さのことをばかりを思い出していた。今年がたぶん、ようやく始まったのだろう。