2017年4月17日の断片日記

▼正確には昨日の夜のことなのだけれども、うっすらと夏のにおいがして、ああ気温が上がったのだなと思った。もちろん日中外を歩いていて「暑いな」とは感じていたのだけれども、それと「気温が上がった」と感じるのはまた別の話なのだった。気温だけでなく気圧や空模様などがコロコロと変わっていくのにそろそろ身体がついていかない頃だ。降ってほしくないときにばかり雨が降り、吹いてほしくないときにばかり強い風がふきつける。「時の流れと空の色に / 何も望みはしない様に」という一節のことを考える。時の流れにも空の色にも、僕らはいつだっていろんなことを望んでいる。あれは、そういうことを言っているのだ。
 
 
▼結局はその人でなければいけないことなんてほとんどないのだと思う。たとえば誰かにとって僕が特別だったとしても「それはぼくぢゃないよ」であるし、僕にとっての君だってそれは本当の君ではないのだから、互いに互いでなければいけないことなんてずっとなかったのだ。それぞれがそれぞれの「わたしのせかい」にそれぞれの僕や君を住まわせているだけなのだ。あるいは役割を。交わらないよな、と並行世界のことをまた考えている。