2017年8月27日の断片日記

サニーデイ・サービス、19年ぶりの日比谷野外音楽堂でのワンマンを観てきた。まだ余韻から抜け出せずにいる。このまままとまりのある文にはなりそうもないので、断片を書き連ねておく。
 
 
▼「いろいろ話したいこともあったけど、もう、今日はいいよ」アンコールのときだったか曽我部さんがそんなことをぽつりと言っていた。本編でもアンコールでも「MC」はなく、ただひたすらにたっぷりと曲を聞かせてくれた。夏の終わりの野音サニーデイ。それだけでも最高なのに至極のセットリスト。胸がいっぱいになる瞬間がたくさんある、いいライヴだった。
 
 
▼名曲たっぷり入れつつ『24時』『愛と笑いの夜』から多め。夏だね。そうやって長いリスナーをしっかり楽しませてくれつつ、それでも中盤でみんなでめいいっぱい盛り上がったのが2016年の「セツナ」なんだからやはり現役バンドである。そのことがなんかとても嬉しかった。最新作『Popcorn Ballads』からは「花火」の1曲だけだったけれど、彼らがまだまだ最前線でやっていて、そしてリスナーも彼らの音楽を愛しているのがあらためて伝わってきた。席は後ろの方だったけど、周りのお客さんは総じていい雰囲気でよかった。
 
 
▼セミの鳴き声とともに始まった1曲目、「baby blue」をやってくれるかなとわくわくしていたら、まさかの「今日を生きよう」だった。これは今書いているテキスト(ぼくとサニーデイの10年みたいなアレなヤツ)で詳細は述べるけれど、とにかく僕にとってとても大切な曲の1つでしばらく何が起こっているのか分からないほどに感動してしまった。
 

 何も知らないふりをして 今日を生きよう 今日を生きよう
 天使じゃないって? あぁそうさ 
 ぼくは恋に しびれているだけなんだ

そう、確かにそんな季節があって、僕は、あるいは僕らは、ずっとそうやって過ごしてきた。そんな「今日を生きよう」で始まったライヴが終演を迎えるころ、セミの鳴き声は秋の虫の声に変わっていた。今回のライブですっかり夏が終わってしまった。始まりの瞬間に感動のあまりいろんなものが飛んでしまったその後も、まさに胸がいっぱいで…とにかくまあそんなんだったから気づくのが遅れたけれど、夏だけでなくそのほかにも確実に終わったものがあったような気がした。終わらなきゃ、始められないもんね。
 
 
▼来年もやってくれと声をかけたお客さんに「たまにやるからいいんだよ」と言って曽我部さんは笑っていた。
 
 
▼しっとりと座って聴いたりそれぞれの大切な曲では思わず立ち上がって歓声をあげたり、みんな自由に楽しんでいた。それでもアンコールは総立ちで。「忘れてしまおう」から始まったあの時間は何ものにもかえがたい。「夜のメロディ」で踊って、「青春狂走曲」と「胸いっぱい」で手拍子しながらとんだりはねたりしたの、サイコーだった。大満足。僕の生活と人生にサニーデイ・サービスがあって、本当に、本当に良かった。
 
 
【セットリスト】
 
01 今日を生きよう
02 素敵じゃないか
03 あじさい
04 八月の息子
05 江ノ島
06 スロウライダー
07 経験
08 さよなら!街の恋人たち
09 恋におちたら
10 苺畑でつかまえて
11 96粒の涙
12 海へ出た夏の旅
13 セツナ
14 白い恋人
15 シルバー・スター
16 花火
17 時計をとめて夜待てば
18 24時のブルース
19 週末
20 サマー・ソルジャー
21 海岸行き

<アンコール>
22 忘れてしまおう
23 夜のメロディ
24 青春狂走曲

<アンコール2>
25 胸いっぱい
26 One Day