重ねられた生活 20170826~0901
0826(Sat)
晴れますように…!ということばかり考えて仕事をしていた。
0827(Sun)
サニーデイ・サービス、19年ぶりの日比谷野音へ。この日のことはいくら書いても書ききれずまとまらない。こんなんじゃ言葉が全然たりないのだ。
etlivsfragment.hatenablog.com
日が落ち始めてからふいた風の涼しさ、となりの女の子が話していたこと、虫の声、君のことがとぎれとぎれによぎったこと、全部だいじに覚えておこうと思う。
ライヴを終えてからは別の街でできあがっていた友人たちに合流する。何を語るでもなく、時間だけを共有するような過ごし方をして、それぞれの人生が動き始めていることを小さく確認して分かれる。比べるもんじゃないけれど、僕の歩みは遅すぎて見落としてしまいそうだ。それでも僕がたどり着きたい場所は遠くにあるとは限らないのだからこれでいいのだと言い聞かせ、くたびれた電車の中へ。寝過ごしてしまった恋人たちの向いの席に座っていた。
0828(Mon)
余韻の中でまどろみながら、嫌なことをばったばったとなぎ倒していく。これは仕事だ。僕の人格とは関係がないのだ。そんなことを思いながら過ごしていく。
昨日のセットリストのプレイリストを作って聴く。それだけでいろいろなものがよみがえってきて震えた。
0829(Tue)
しかし思い出したかのような暑さと湿気で、部屋を出る前にくたくたになってしまう。それでも日差しは最高で、僕はまるでどこか草や花にでもなったかのような気持ちになってしまう。ライヴの余韻からまだ抜け出せずにいる。あの日僕の夏は終わって、同時にほかの何かも確かに終わったような気がして、そのことを何度も何度も反芻する。
昔の教え子が訪ねてくる。懐かしさの「はしため」としてではなく、人生の節目で挨拶に訪れたいと思えるような先生を演じられてよかったとそう思う。彼女たちはみな、僕なんかより立派な人間だ。
部屋に戻るとライヴで新作から唯一披露された「花火」のMVがアップされていた。ロマンティックないい曲だ。MVはラストでスタジオを出てからダンスするところが好き。
Sunny Day Service - 花火【official video】
0830(Wed)
忙しく働いた。この人たちは、きっと僕が辞めてしまうかもしれないということを微塵も考えずに僕と話しているのだろうなと思うと変な気分になってくる。
夜。気づいたらそのコはお気に入りで、話しながらとてもいいコだなとか思うそのことこそが、君がどれだけ特別で特異な存在だったかということを浮かび上がらせる。それでも、恋には理由が不要で、愛には理由が必要ならば、そういうことだろうと思ったりもする。いつもの車内がいつもとは違う温度に感じたとしても、それはいつの間にか「いつもの」に化けて、そして「いつかの」に変わってしまう。そういうものだからこそ。
0831(Thu)
半歩進んだ日だった。歩みを進めている対象も半歩進んでいれば合計で1歩進んだことになるではないか、とか考えていた。
0901(Fri)
涼しかった。日が落ちてから出かけて行ったのだが、大変に気持ちのよい空気だった。
『パターソン』@ヒューマントラストシネマ有楽町。遅い時間だったのに満席だった。みんなジャームッシュ好きなんだね。
鬼才ジム・ジャームッシュ監督最新作『パターソン』/8月26日より公開
バスの運転手で詩人(作品は個人的なノートに書きつけているだけ)の主人公の一週間を描いたもので、市井の日々が紡がれるだけでとりたてて大きな出来事はおこらない。でもそれが本当に愛おしかった。僕は何か作品を作り表現する人たちを心から尊敬する。僕にはできなかったことだからだ。それでも、こうして日々をつづることだけは続けてもいいのかな、それが自分のためだとしても。なんてことを考えて、ランタンパレードの「詩や歌のような日々を」のこと、そしてそのとき書いたテキストの事を思い出したりしていた。
最終曲では平易な言葉で誰にとっても当たり前のように思える光景を描きながら、「誰もが詩や歌のような日々を送っている」と肯定する。僕らは、生活ではなく人生を生き、そして行かなければならないとそう強く思う。
映画館を出ると大粒の雨。それでも足早に行きかう人たちの姿を見る余裕がそのときの自分にはあって、それほど不快には感じなかった。新調したアイロンのおかげでアイロンがけが楽しい今週はここまで。