重ねられた生活 20171209~1215

1209(Sat)

ちょうど3週間前の今日、仕事のために訪れた街で偶然にも君とあの人を見かけた。その時以来、思い出したように心臓を素手でつかまれたような気分に陥ることがあって、自分が認識している以上の重い何かがのしかかっているのだということが分かる。それでも、相変わらずの空気感を放つ2人に嬉しい思いはあるのだけれども。彼女たちは、僕がいなくてもうまくやっていける。その事実は僕をどこへ運ぶのだろうか。そんなことを考えては、今度のこれは何の報せなのだろうと思いをめぐらす。そんな時間と、それすらも寒さで全部吹き飛ばしてしまうような時間とを幾度となく繰り返している。「いつもいつも 君が恋しくて 泣きたくなるわけなんかないよ 思い出すたび なにか胸に つっかえてるだけ Baby, baby!」てやつでさあ。
 
好きな人と話すこと、そして彼女の役に立とうとすること、それだけがこのどうしようもなさの中で僕が立っていられる理由になりつつあることに気づいて、嫌悪感を抱いてしまう。自分のために誰かを大事にするのは違うんじゃないのかという潔癖な気分がそこにはある。それでも僕だってどうやら人間だから、流されるまま惹かれていく。僕の自分本位なところがいつか全てばれてしまうんじゃないかと思いつつ、今のこの気持ち、本当だよねとも思っている。
 
 

1210(Sun)

朝、予定より少しだけ遅くなって部屋を飛び出す。仕事へと急ぎながらこれは冬の朝だなと感じて少し嬉しくなる。
 
寒くなってきたとは思っているのだけれど、まだ夜の方では冬を感じていない。以前もどこかで書いたけれど、こればっかりは気温の問題ではない。では何がその決め手になるかと言えば…光とか匂いとか…そういったものを総合した「見え方」のようなものだから、なんとも言えないところである。
 
仕事を終えて、洋服の直しを依頼しにいく。生活感あふれる行動をとると決まってああ僕もこの街の住人なのだなと思うのだけれども、それこそがいまだにどこかでまだこの街との(あるいはどこ・なにに対してもそうだろう)距離を感じていることの表れなのかもしれない。
 
その足で書店に出向いて、POPEYEのガールフレンド号を買う(別冊で「オリーブ」がついていて小沢健二のテキストが読めるのだった…!あと映画『リバーズ・エッジ』のために書いた新曲の歌詞が載っていて、すごいすごいとは聴いていたけど、ほんとすごかった。)

 
その別冊の方で我らが橋本愛がゆりあんレトリィバァと対談していた。クレイジーな人の物語という話の流れで『ウィズネイルと僕』を挙げるあたりこの橋本愛という人は本当に信用できるなという思いをあらたにする。そしてその作品の魅力を語っているわけだけど、これが全然伝わらない(でもそう説明するしかないのだ!わかるよ!)感じになっているのが愛おしい。橋本女史は、POPEYEでの連載「カルチャー日記」において抜群の筆運びを見せてくれていて、そこで知って初めて触れた文化が僕にはたくさんある。そんな人でもこんな感じの凡庸な説明になってしまうのだから、それが作品の持つ魅力の1つなのだろう。『ウィズネイルと僕』については、人を動かす薦めかたができる人を尊敬してしまう。
 
パラパラと眺めていたらふと「月がきれい」を6話ぐらいで見るのが止まっていたことを思い出した。Netflixで配信されていたので続きから見始めた。悶絶した。おじさんなのに…。いや、だからこそなのか…。
 
  

1211(Mon)

ミツメの新曲がちゃんとポップソング然としていてとてもよい。
 

ミツメ - エスパー
当たり前のように出てくる『ストレンジャー・シングス』風のフォントで笑ってしまう。ジャケットも新しいアーティスト写真もMVも、カルチャーを感じて嬉しくなる。こういうの、待ってたんだよという気持ちになる。
 
 

1212(Tue)

それにしても寒いなあ…。寒いんだけど、やっぱり冬じゃないんだよなあ、と感じる。それとは別に秋も冬も好きな季節だから、なるべく長くそこにいたいとは思う。好きな人が風邪をひいていて、心配が適切な量になるようにしないといけないなと思いながらも過剰になってしまう。まあとにかくさ、お互い元気でいよう。
 

Sunny Day Service - クリスマス【official video】
好きなMVだ。フィジカルリリースとDVDを心待ちにしている。
 
部屋についてNetflix『ダーク』を見進める。ドイツ版『ストレンジャー・シングス』なんて言われているけれど、こっちの方が雰囲気が重苦しい。
 
  

1213(Wed)

約束の日、行けそう?と問えば、へーきへーき!と返ってくるわけだけど、ホントかねえと思う。普通への道程には色とりどりの思いや出来事があるということで…とか考えてやり過ごすことに決めたけど、心配が溢れてはしまう。
 
学校。外国語の学習に手を焼いている。これを乗り越えない限りは本当にやりたいことへはたどり着けないわけだけれど…。分かってはいたことではあるが、働きながらこれをすることはやはり厳しい。でも自分で決めたことだから頑張らなければ。
 
シャムキャッツの新曲が公開されていた。

このままがいいね ( Stay Like This) ー MV
『Friends Again』から地続きではあるけれど、『Friends Again』の中では鳴らない音だ。「このままがいいね」というのは幸福な言葉だと思う一方で、残酷な言葉だとも感じる。なるべくなら、前者として響かせられるような未来を望んでいるけれど、それは果たして自分次第なのか相手次第なのか。
 
 

1214(Thu)

「まだ起きてる?」て情緒があって好きな言葉かもしれない。どうしていままでは通り過ぎていたのだろう。
 
 

1215(Fri)


LAST LIVE DVD「andymori ラストライブ 2014.10.15 日本武道館」から『それでも夜は星を連れて』
 
まあそういうことなんだよなあ…。もっと伝えたいこととか言いたいことがあったはずなんだけど、口が滑るというか気持ちが滑るというか。買うもの買って、食べるもの食べて、見るもの見ては寒空に投げ出されて、また時間も忘れてふらふらと過ごしたあと、僕らの行く手を阻んだやつらが通り過ぎるのを待つ間にぽろぽろと。他の言葉と同じ温度で出てしまった。あらら。まあこれからどうなるかは見てみよう、といったところで。それがどういう結果を招こうと、きっとその日々は言っても言わなくても「そうなった」類のものであるはずだから。
 
今週はここまで。