2017年BEST MUSIC 50-41

50. The National / Sleep Well Beast

SLEEP WELL BEAST [CD]

SLEEP WELL BEAST [CD]

 
この諦念である。「誰も悪くない」は本当にそうなのだろう。誰もがそれぞれの信念を胸に生きていて、それゆえに断絶していく。そんな時代にこの逆説の音楽はさびしく、その一方で力強く鳴っている。もうずっと元気のない大文字のロックにおいてずっと地に足がついていてかっこいいよ。

 

 

49. Waxahatchee / Out In The Storm

OUT IN THE STORM

OUT IN THE STORM

   
Iを歌うことが世代を代表するWeになっていく。そのことを体現した前作から2年、Kurt Vileらの作品を手掛けるJohn Agnelloを迎えての新作ではよりスケールアップした彼女の歌声を聴くことができる。サウンドはよりオルタナに、でも紡がれる言葉がフォーカスしている感情は普遍そのものである。ある意味ではこれまでのキャリアの総括といった趣のリリカルさではあるが、その逞しさと同時にクレバーなところが見え隠れする、好盤である。
 

 
 

48. Songhoy Blues / Résistance

Resistance

Resistance

 
マリのソンゴイ族の4人組が鳴らすアフリカンブルーズ。トーキョーの僕らもマリのナイトライフ賛歌で踊ろう!
 

 
 

47. Land Of Talk / Life After Youth

LIFE AFTER YOUTH

LIFE AFTER YOUTH

 
前作より実に7年ぶりの3rd。シンセやプログラムループから組み立てられた楽曲のおかげでギターの鳴りがこれまでと比べて空間的に。それがニーナ・パーションへ接近したあの頃と全く変わらない声色とよくマッチしている。制作には、感動的な『Are we there』に続く新作が待たれるSharon van ettenも参加している。納得の仕上がりである。
 

 
 

46. Jay Som / Everybody Works

Everybody Works

Everybody Works

 
オークランドの女の子、22歳。歌モノSSWではあるのだけれども、90年代のUSオルタナで鳴っていたサウンドの懐は深い。ヨラテンゴが聴こえる…!。
 


 

45. Mura Masa / Mura Masa

Mura Masa

Mura Masa

 
UKの新人が豪華客演陣と奏でる瑞々しいポップサーカス。僕らのチャーリーXCXとの「1 Night」、A$AP Rocky「Love$ick」など名刀のごとき切れ味。
 

  
 

44. Courtney Barnett & Kurt Vile / Lotta Sea Lice

LOTTA SEA LICE [CD]

LOTTA SEA LICE [CD]

 
前作でかきならしたオルタナ世代へのブルーズで、一躍スターダムへと駆け上がったCourtney BarnettとカルトヒーローKurt Vileのコラボ作。この組み合わせから想像できる音と全く相違がなくて笑ってしまった。よいUSインディーミュージック。晴れた日のドライヴにも。
 

   
 

43. Big Thief / Capacity

CAPACITY

CAPACITY


Adrianne Lenker率いるブルックリンのフォークバンドの2枚目。オーセンティックなサウンドとうすくリヴァーヴのかかったヴォーカル。派手さはないが、ミニマルな展開の途中にこぼれおちる感情がよい。
   

 
  

42. Phoebe Bridgers / Stranger In The Alps

Stranger in the Alps

Stranger in the Alps

 
LAのSSWの1st。Ryan Adamsの目に留まるだけあって、シンプルに良かった。ジャケもステキ。
 

 
 

41. Moonchild / Voyager

Voyager

Voyager

 
ネオソウルの注目株。そのらしさをリズムから感じ取れる部分もあるけれど、 ここ数年のブラックミュージックの隆盛においてリズムやビートに身体を揺らされていた僕も、ひたすらなこのメロウさに身を委ねてしまう。ヴォーカルも1つの音として組み込んだかのようなサウンドテクスチャーが心地よく、面白い。