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2017年1月28日の断片日記

▼君との関係は新しい季節を迎えている。恋人ではなく、友人でもなく、ましてや今までの共犯関係でもなく。とても不安定な薄氷の上を、少しずつ歩みあうようなそんな繊細さ、慎重さで一から組み直していく関係。僕らが真に出会ったその時に見える道はきっと地獄の道だろうなという予感はある。それは2人ともにあるのだろう。君は自身の未来を賭け、僕は自身の過去を担保にする。まだいびつだな、と思う。それでも、いびつなまま何とか形にしていくしかないだろう?と言い聞かせる。本当は、最初からそうだったはずなのだから。そこから目をそらし、そらしたことを覆い隠すように、あるいはまるで言い訳のように手を差し伸べそのことに満足して何かをした気になっていた。行為は不完全で、言葉はいつも少し足りない。僕らが皆、それぞれにわたしの世界を持っている限り。
 
 
▼お互いに近づこうとしながら同じ方向に走って周回ばかりを重ねていた、そんな驚くほど不器用な僕らは、今ようやく相対する覚悟を決めたかのように見える。それでも僕は自身にも相手にもこの関係にもまだ大きな不安と疑念を抱いている。人を信じるのはむつかしい。ましてや自分など。僕が今までしてきた「信じる」という行為は気持ちにふたをするようなものだったと感じている。ほんとうのそれは、こんなにも恐ろしいものだったのか。「その先」を見るためにこれに耐えるのが、今の僕に必要な強さだ。僕を押し上げて「そこ」から出してくれた君を、今度は僕が引き上げてみせたい。
 
 
▼僕が何かを言うたびに、君は笑いながら「かわいそうな人」などという。それは今までともあの人とも全く異なって僕に響いてくる。では、僕がささやき語りかける言葉は今君にどう聞こえているのだろうか。かつての僕らの関係には、敬意も情も恋慕も(ゆがんだ形であったとはいえ)確かに備わっていたのだと思う。僕はそこに愛も置いていたつもりだったけど、唯一それだけはきっと何か他の言葉でも代用できる代物だったに違いない。季節が進んだ2人の関係ではどうなるだろうか。薄氷の上を君よりも大股で歩みを進めながら、同時に自分の足場を補強していく。ふらふらと蛇行し、行きつ戻りつを繰り返す君が、いつこちらへ走り出しても、飛び込んできてもいいように。僕は今きっと、やっと、愛の話をしている。