2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧
▼君との関係は新しい季節を迎えている。恋人ではなく、友人でもなく、ましてや今までの共犯関係でもなく。とても不安定な薄氷の上を、少しずつ歩みあうようなそんな繊細さ、慎重さで一から組み直していく関係。僕らが真に出会ったその時に見える道はきっと地…
▼控え目な花たちはどうなったのだろう。弱くか細い声は、そのまま消えてしまった。それでも周波数を変えてそのお知らせは、夢でも現実でも夢みたいな現実でも、何度も聞いたあの声で届けられた。 ▼僕はずっと見ることが最も大切なことだと言ってきて、実際そ…
▼批評とは竟に己の夢を懐疑的に語る事ではないのか、という小林秀雄の言葉があってとても好きなのだった。自己投影の可能性を、つまりは対象を語ることは己の何かをそこに仮託することではないのかという根本的・根源的な部分に向けられた懐疑の視線、そうい…
▼季節の向こう側から、あの人に会える機会が舞い込んできた。僕はどうすべきか迷った。迷いの理由は明らかで、僕のこの現状を話せるのも、また理解してくれるのもこの人だけなのだが、この人にだけは話してはいけない理由があるからなのだった。甘えてはいけ…
▼もたもたしていた。祈りを通じて反復する日々の中で、「その不在」が「自己の不在」と溶け合い、僕はまるでアシッドまみれのような状況に陥り、とにかく目と耳を塞いで自閉し続けるしかなかった。のだった。でもせっかく思い立ったのだからと、10日以上も遅…
▼ふとした(というにはあまりにも長く大きなものではあるのだが)きっかけで、古い友人と食事をして、ごくごく普通の会話をして、帰る。寒空の下、別れてひとりでとぼとぼと歩けば歩くほど、厭世的な気持ちになってくる。先の会話のせいだった。これはいけな…
▼ああ、これが「反復」だったのだ、と思いいたる。追憶は過去へ向かい、不幸へ到達する。だが、祈りの中で受け取りなおし再会し続けるこの日々は、未来志向の、まごうことなき「反復」そのものである。過去、僕は確かに君に導かれ、瞬間と永遠の深淵に足を踏…
▼朝に目が覚めたら、もっと罪悪感にさいなまれるかと思っていた。それがうっすらと横たわっているのは感じるけれど、コンフューズをもよおすものでもなければ、攻撃的な気持ちになるでもなかった。喪失感といえばそうなのかもしれないけれど、もともとが空洞…
▼寂しさ紛らすためなら誰でもいいはずなのに、あるいはそれに類するフィーリングが世の中にはある。それは言うまでもなく、誰でもいいのだろうか(いや、よくない)の表れでありそれが普遍かつ一般なのだという理解をしつつも、はて本当に誰でもいいなんてこ…
▼以前はそんなことあまり思わなかったのだけれども(それはなんて幸せなことなんだろう!)、なんか最近は職場にいる時間をなるべく短くしたい欲求がある。そんなわけで部屋を出るのも遅刻ぎりぎりの時間なのだが、フィジカルによれば、遠回りにもいろいろあ…
▼昨日からの流れで花屋に寄る。混んでいたので買うに至らなかったが、店内を非常に楽しく見た。あれこれ眺めてはそれらを部屋に、キッチンに、置く様を思い浮かべる。その中で、そういえば昨年は美術館に足を運ぶ回数が少なかったななどと思う。あれだけぎゃ…
▼昨晩寝る前に本当に久しぶりに花言葉を調べた。 ▼朝。相変わらず遠回りをする身体と話す。花を買おうと思うのだけれども。お兄さん。はい。乙女っすね。女々しいと言わないだけ優しいよね。その言葉嫌いっす。僕も。 ▼それで、仕事帰りに花屋へ出向くも正月…
▼夜中の変な時間に目が覚めてしまい、このまま二度寝をしたら遅刻をするぞと聞こえてきたので映画を見て夜明けを待った。ライブラリ(とはいえもう箱の中につっこんであるだけのような状態ではあるが)から目をつむって2つ選んだら、『JUNO/ジュノ』と『ポ…
▼朝、目が覚めて熱がまだ奥の方に残っていることを確認し、体を無理やり起こす。とびきりの空に一瞥をくれた後、あたたかい飲み物を飲みながらぼんやりと今年について考えた。曰く、もっと空を見ようということと、それ以前にもっともっと見るということに意…