重ねられた生活 20171230~20180105

1230(Sat)

Spotifyで音楽を聴くようになって、なるほどプレイリストねえとは思いつつ、未だにアルバム単位で聴くようなスタイルが抜けない。でも原体験としてはラジオなどから録音したカセットやMDを編集してそれを聴いていたわけだから、いったんそういうスタイルに戻ってしまえば、あとはスムーズに行くのかなあという感じもある。
 
というわけで年間ベストを書いている。久しぶりに音楽について書いているので愉しい。まあ結局は自分の話しかしてないんだけど…。毎年言っている気がするんだけど、そのリストを全部並べてみると自分の中でのその年のテーマのようなものが見えてくる。全体のトーンというかモードのようなものが立ち上がってくる。もちろん何か1作がそれを象徴するということもある。今年は何なんだろうな。並べる前は、いろんな意味で自由を欲していた1年だったなとは思っていたのだけれども。たのしみたのしみ。
 
 

1231(Sun)

数年前にはじめて見た「ゆく年くる年」、放送時間内のほとんどを静謐さが覆っていてそれにひどく感動したのを機に、毎年見るようにしているのだけれども、あれは幻だったのだろうかというくらいにここ数年は賑やかで華やかな感じがする。年末年始のそわそわとした感じは別に嫌いではないのだけれども、わざわざ暦というものを持ち出して祈りの時を迎える以上、それは過去と未来両方に向けておきたいというのがあって、そのためには本来相当な集中力が必要になるものであり、だからこそ静謐であってほしいのだった。
 
2018年は、年間を通して2018年の年末に祈るための場所を探そうと思う。それは僕にとってエポックな場所でありかつ、過去と未来をつなぐ「今」である必要がある。神様がいる場所は瞬間だから、神社などは祈りをささげる場所としてやはり相応しいものなのだろうけれども、静謐さを(一時的であれ)欠いてしまうそれは僕にとっては具合がよくないのだ。そして年末年始という暦の産物は人と人とのつながりのためにあるから、そこから降りたところにある、これまでとこれからのつながり(そしてそれは僕を媒介とする)のためのものとして祈りの場を構築したいのだ。そう考えると、来年の過ごし方というのは、とても希望にあふれるもののように思えてくる。今年は本当に色んな事があった。後から振り返ったときに、ああこの年だったなと思うだろう1年。それでも、いやだからこそ暦とは便宜上の区切りでしかなく、今年僕の人生に起きたことはどれもまだ何一つ、終わってはいないのだった。
 
 

0101(Mon)

みなさんの1年が、心穏やかでありますよう。そしてみなさんの幸せが、みなさんの大事な人にとっての幸せにつながるような日々となりますこと、祈念しております。今年も日記、読ませてくださいね。
 
 

0102(Tue)

朝4時に目覚ましをセットしていたのだけれども、それよりも早く目が覚めてしまった。暗いうちから電車に揺られて仕事場へ運ばれていく。ぼうっと車窓の外を眺めているとゆっくりとした朝やけが見えた。家と家の間からとぎれとぎれに視界に入ってくるそれにいたく感動してしまった。あなたに見せたい―そう自然に思えたことが何よりも嬉しかった。
 
 

0103(Wed)

なんだか、人と会い何かをするということの許容量の限界が近いのではないかという気がしてきた。役割の服がすこしずつ擦れ始めていて、いろんなものが自分の中に浸食してきているのが分かる。どうにか分化していきたいと考えているけれど、現状、あまりうまくはいっていないのではないか。他人と自分の輪郭を切り離す作業が加齢とともに上手になってきたと思っていたのだけれども、それは自分と他者意識に化けた自意識とを切り離す要領を掴んできただけなのかもしれない。しんどさが増している。
  
 

0104(Thu)

仕事から帰って録りためてある『THIS IS US』を観る。去年観ていたのはクライムサスペンスみたいなドラマばっかりだったのに、まさかである。そして(月の半ばには公開できそうな)年間ベスト記事にたまたま「家族」というものの捉え方が変わってきたことを記した矢先の話で、おお、と思う。そして相変わらず『ハチクロ』も読み返し続けていて、なんだろう、弱っているのだろうか?でも結局は人間を癒すのは人間ではないか、とは思っている。あるいは人間的な何か。花を、空を、風を見るとき、何を見ている?
 
 

0105(Fri)

仕事終わりに本来の目的とは別に、ある人に会いたいなと思っていたのだけれども空振りだった。歓迎をしてくれているこの場のいったい何人が、僕がここにいない人のことを思っていることに気が付いているのだろうか。自分から人に会おうとすること自体が本当に希なことだったからやっぱりなんか弱ってんのかなあとかそんなことばかり考えてしまうのだった。
 
あまり元気のない今週はここまで。