短歌の目・6月
◆今月はそれぞれ1首にしぼれましたゆえ。
tankanome.hateblo.jp
1. クリーム
蜜月もはなればなれもこれ1本イランイランのハンドクリーム
2. 溝
3月の乗り換え駅は溝の口次は2人で来ようだなんて
3. 万緑
「万緑」で画像検索後の世界ソシャゲまじりに環境破壊
4. 雨
「本当に雨が降るの?」と乗り出す身つなぎとめるはその不安だけ
5. きみ
「ぼくのせい」「わたしがわるい」「いまなんて?」しおらしいかおきみのわるさよ
テーマ詠「衣服」
横顔を見つめる僕の前顔を見つめるリブトップスのぬし・ねこ
2017年6月26日の断片日記
▼間違えて入ったスーパーマーケットからのこのこと出てきたところで、夏のにおいに捉えられた。季節のにおいというのは不思議だ。いつも不意に香ってくる。今日が特段他の日と比べて暑かったわけでもないのに。もちろん現実的にはまだまだ梅雨が続いていくだろう。でも夏はもうすぐそこまで来ていて、そして行ってしまう準備をも既に始めているのだ。
▼無事に手に入れてからというもの、シャムキャッツの新作ばかりを聴いている。フロントマンの夏目くんは「普通の作品ができたから普通に聴いていほしい」というようなことを言っていた。一聴した時はReal Estateだあなんて思ったものだけれども、実際にはどれもがそれよりも彼の言葉通りに普段着で、もっともっと僕らの日常のサウンドトラックだった。生活と人生のちょうどはざまで鳴っている音楽。だからこそ、こんなにも心と身体になじんでいく。今のところのいちばんのお気に入りは「Funny Face」と菅原くんがつくった「Four O'clock Flower」だろうか。
シャムキャッツ - Coyote (Music Video)
とりとめのない 景色に神様は似合わない
山手線を降りる 人混みに交じる
二度と帰らぬ 美しい日々に 正しさなんかを求めて
大丈夫別に 未練なんてないけど もしかしたらって 時折胸をよぎる
きっと元気でいるね
まいったな。まいったよ、ほんとに。このMVの井之脇海とりりかの街の歩き方も最高だ…。
▼この何でもなさに包まれて漂っていると、yogee new wavesが『Waves』で鳴らしているエモーショナルも恋しくなって、そのどちらもある意味では正しく夏だな、なんて思う。しばらく嫌いな季節が続くけれど、せめて「よい季節」であればいいな。